Category: Q-LETTER

全ての事は時にかなって美しい

「全ての事に時がある」

種を蒔く時、刈る時・・・花が咲く時、実がなる時・・・全ての事は時にかなって美しい

旧約聖書「箴言」より

自然のサイクル(時)にしたがって正確に生命の連環が繰り返されるように、人の為すことも、時を得なければ成功しない。
その時が早過ぎても、反対に遅すぎてもいけない。時を見る眼、時を知る知恵が大切である。その一番の師は自然である。自然に学ぶ事である。 

「ミッションインポシブル」TV版のドラマの中で、とても印象的に使われていたシリーズがあった。伝統的には日本人はそのことを1番良く知っている民族である。

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アイデンティティ(自分の存在証明)

ノールウェイ、デンマーク、フィンランドの人達が集まって話をしている所で、 「どの国の言葉で話しているのか」と聞くと、「自分の国の言葉で」と答えてくれた。

日本でいえば方言のようなものだと理解した。同じことが、ポルトガル語とスペイン語でもあるし、広い中国では、大変な方言の数がある

スペイン語や英語、中国語などは大きな言語圏を持っている。
そんな国々の若者達は国籍にこだわらず世界にチャンスを得られる機会を求めている。

スイスの博士課程の学生が日本に遊びに来た。彼はスイスでは大学まで学費はタダなのに、卒業後、自分を生かせる企業が無いので、アメリカか北欧で就職すると言う。
大体欧州の人たちは何ヶ国語か話す人が多いし、日常でも外国人と接することが普通である。そんな環境からか、国外に出ることに日本人ほど身構えることは元から無いようである。
何人かの欧州の若者達と接して一様に感じるのは、日本の同年輩の若者よりしっかりと自分を持ち独立していて、しかも愛国心は強いということである。

日本人も国外に出れば愛国的になるといわれているが、彼らが持つものと違う。小さいときから自分のアイデンティティーを求め、持たざるを得ないからだろう。

自分がどこの国の人間かを意識せざるを得ない、という事は、アイデンティティーが無いと自分が存在しないという事と同じであるから。
もっとも、日本人はそんな環境でないし、外国語が堪能でもないから日本にいるので、若し堪能なら、優秀な若者たちは全部出て行ってしまうだろうと言っている評論家がいたが・・・

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まことの花にはあらず。ただ時分の花なり

表題は世阿弥の「花伝(かでん)書」、又は「風姿花伝」(室町時代の能楽論集)の中の有名な言葉です。

申楽を舞う若い美しい姿を今を盛りに咲く花に例えた「時分の花」に対して、
「まことの花」は修練を積み、芸に深みを加えた時に現れる姿です。

一般に日本の文化は時を経、修練を積むことに価値を置き、評価されます。

「道」と言う言葉をつけることにより、「道」の意味に、条理や道理、分別を含め、人生の目標にしてしまう。

単にスポーツである格闘技とは柔道や相撲道はあくまでも異なり、茶道や書道は芸術を越えたものであります。日本の文化にしか通じない、「創に言葉ありき」と規定してしまった西欧的思惟からは考えられない、理解を超えた理解によって成り立つものです。

その人にとって最高の芸が80歳にもなって出てくるというのは、芸道の極地でしょうし、最も尊ばれ大切にされます。急速に時代の様相が変わっていますが伝統文化にどのように影響してゆくのでしょうか。

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明治時代商家の子育て

 現在、大阪の印象を人に問えば、食い倒れ、お笑いの町であるが、つい最近までは、商人の町であった。

 「商都」は大阪の代名詞であったが、その商都の実際を動かしていたのは、青雲の志を抱いて地方から出てきた人達が多かった。その人たちが成功し、財を成して2~3代も経つと”「貸家」とお家流で書く3代目”と親の財産を食いつぶす道楽息子を育ててしまうことが多かった。

 それを防ぐための知恵として、第二次世界大戦前までは長男相続が法律上決まっていたにもかかわらず、息子が家を継ぐだけの資質がないと親が見極めると、息子を廃嫡にして、娘に養子を貰い、後を継がせることで店を存続させた。(実際、大阪は他府県に比べて養子縁組が多かったと、統計に表れている) 

 当時、大部分を占めていた中小規模の商家では、後継ぎといえども特別扱いすることなく、他の雇い人同様に働かされるのが通常であったようだ。

 和菓子メーカー「新杵」の故三井満寿雄さんは(人物の1端は20世紀日本人の記憶 にある)勉強がしたかったけれど、「まんじゅうやの息子に学問はいりまへん」と親に許して貰えなかった。

 それでも学びたい心をおさえかねてYMCAの夜間英語学校に得意先への配達を終えてから毎日走って通ったとお聞きした事がある。

 そのときに受けた教育、交友は素晴らしいもので、同級生の中に、大学教授になった方や、大阪の有名店の社長等がおられ、仕事のみならず、YMCA活動をも共に続けられた。

 三井さんのそれらの友人達も、また、働きながらの通学だった。学びたいという熱望が全ての事を突き動かして、学問する楽しさ、家業を存続させる事がその家にとって大切な事等、計り知れない多くの事を体得された。

日本全体が貧しかったから出来たのではなく、しっかりとした信念が人々の中に生きていた時代に教育をうけた三井さんのお話に、人を育てるという事の意義と意味を考えさせられる。

近江商人の家訓に「人富めば即ち奢る(おごる)」と言う今の時代を突いている言葉がある。

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燃え出るる春から緑深き季節へ

まるで炎が、燃え上がるように花が命の復活を謳歌し、木々の緑が噴出す。命の活動が一番感じられる時だ。
中国の古い医書「皇帝内経」(今から2200年ほど前の前漢の時代に書かれたらしい)は森羅万象をよく観察している事に驚かされるのだがその元になる、五行説に従うと「木(もく)」の季節は「春」。人生で言えば「青年期」。「火」は夏、人生の「壮年期」。情熱のほとばしりに時としては”自己を制御出来ない”で突っ走ってしまうのも当然のことだと言える。

キリスト教国では春を祝うお祭りはイースター(復活祭)。欧州で古くからあったお祭りにキリストの復活を祝う行事が重なったようだ。イースターエッグと言って、卵に模様を書いたものや、卵形のお菓子がこのお祭りの象徴。イースターパレードは待ちに待った春への賛歌だ。

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ミッションステートメント

 「このために自分たちの会社が存在している」と言う「ミッションステートメント」が明確にならない企業というのは、マーケットでも成功しないと思う。

 自分はこれをやるんだと言う説明責任がないと、人の理解や協力は得られない。お金の出資も得られない。 竹中教授はその例の一つとしてソニーの前身、東京通信工業の設立趣意書を例にあげている。趣意書の一部を引用すると

「技術者達に技術する事に深い喜びを感じ、その社会的使命を自覚して思いきり働ける安定した職場をこしらえるのが第一の目的であった。戦時中、総ての悪条件の基にこれ等の人達が孜々(しし)として、使命達成に努め大いなる意義と興味を有する技術的主題に対して驚くべき情熱と能力を発揮する事を実地に経験し、又、何がこれ等の真剣なる気持を鈍らすものであるかと云う事を審に知る事が出来た。 それで、これ等の人達が、(中略)思う存分技術能力を発揮出来る様な状態に置く事が出来たら、例え其の人員は僅かで、其の施設は乏しくとも其の運営は如何に楽しきものであり、其の成果は如何に大であるかを考え、この理想を実現出来る構想を種々心の内に書いて来た。ところが、計らざる終戦は、之の夢の実現を速進して呉れた。だれ誘うともなく志を同じくする者が自然に集り、新しき日本の発足と軌を同じうして、我々の発足が始まった。(以下略)

ソニーの前身東京通信工業の設立趣意書はソニーのWEBサイトで全文を見ることができる。

 その内容は理想と喜びを高く掲げて、日本人のほとんど全てと言ってよい人々が第二次世界大戦の敗戦によって前途を見失ったと感じた時代を、自分たちの時期と捉え、理想を高らかに掲げている。しかもその理想は空論に終わらず具体的である。

 自分たちの喜びや必要と感じたものを企業に結びつけたときにその企業の存在価値が産まれてくるのであろう。 世界企業としてのソニーの前身の趣意書に時代を超えた企業のあり方を読んだ。

 冒頭に掲げた「このために自分たちの会社が存在している」と言う使命感、理想、達成目標が時代に受け入れられたとき、その会社は更にへの道が用意されているように思えるがどうであろうか。勿論その道は険しく、時には大きなクレパスがあるのが企業経営では通常のことである。そんな時にも「ミッションステートメント」の存在が大きな役割を担ってくれる事であろう。

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時を経ないと、

 目まぐるしく変わる時代、にもかかわらず「時」が何よりも大切な物作りが伝統を重んじる世界では脈々と生きています。そこに人々は本当の味を見つけます。時を待たなければならないものを幾つか挙げてみました。

伝統的な木造建築用木材
山で伐った木を水にさらし灰汁(あく)を抜き、少なくとも2~3年は寝かせておいてから使わないと、木が狂い、木の持つ脂(やに)が黒く浮き出し、家の柱にはなりません。
木像彫刻や木製什器
材料は伐ってから10年位後にようやく使える材料になるといいます。

土壁の壁つくり
材料の土と壁とわらを水で練って醗酵させてからやっと壁に使います。しかも、下塗りは塗っては乾かし、乾いて収縮した上に、塗りを重ねて1年、2年目にやっと上塗りをする根気の要る仕事です。

味噌や醤油
本格醸造のものは、梅雨や夏の暑い時を越させないと良い味にはなりません。

そうめん
1年寝かせた物が高級品です。

出し昆布など
梅雨を越させないと良い出汁がでません。

酒類
洋の東西を問わず、古いものが良いとされているものが多く、沖縄の泡盛、ウィスキーなど等。古くて珍重される酒の種類が多くあります。最近は日本酒も古いものが良いと珍重するむきもあります。

梅干
古くなると薬効があると言い、「3年経てば梅干も薬」と珍重します。

海から取った塩
にがりが枯れてよい味の塩になるのに、2~3年かかります。

絹織物の結城
3代(親、子、孫)を経てやっと着心地の良い着物になるといいます。

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マクロビオティック

マドンナ・トムクルーズ・シガニーウィーバー

 アメリカの俳優たちは自分の体を美しく健康に保つために、いろいろの健康法を取り入れていることは当然だと思うが、これらの人々は、マクロビオティック法を取り入れていることに、注目したい。

 単に、俳優のみならず、クリントン全大統領夫妻、カーター前大統領や日本でも彼の育児書で育った人が多くいるスポック博士、日本の作曲家、坂本龍一などもその程度の差こそあれ、実践者であるという。

 マクロビオティック法は日本人の桜沢如一によって体系化された食事法で、中国の陰陽思想が根幹にある、それを元にして、食品にも陰陽があること、陰陽のバランスをとって食事をすることによって健康を保ち、病気を治すことが出来ると説く。

 彼は戦後いち早く世界に考えを広め、弟子の一人、久司道夫氏達はアメリカに本拠を置き、世界に広めていった。

 1999年には、アメリカのスミソニアン博物館に、「久司とその家族」と言う主題で、業績が永久保存されたのをはじめ、国連からも健康法によって多大の功績をなした事で賞を受けた。

 ガン治療の方法としてマクロビオティック法は一般化しているようだ。それは、単に健康法にとどまらず、思想面をも共に説いている。

 その具体的な方法は一口で言えば、未精白の穀物を主食にし、野菜類を多く、動物性食品は出来るだけ少なく摂るようにすることであるが、アメリカ、マサチューセッツ州の久司氏の研究所兼保養所には、アメリカは言うに及ばず欧州、オーストラリアからそのメソッドを学び、あるいは、病気治療に訪れている。

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進化するオフィス

「The Creative Office」の著者のひとり ジェレミー・マイヤーソン(就労パターンの変化と、それが家具商品、空間、環境に与える影響が主な研究テーマ)が検証する 。

 仕事のための空間はライフスタイルと共にそのデザインや機能を変えてきた。

 では21世紀型のオフィスはどういう姿になるのだろう? そのキーワードとなるのは「ハイデザイン」と「生活との一体感」の2つだ。「自分の机」という概念すら存在しないような自由なワーキングスタイル。

 21世紀型のオフィスの姿のモデルを、ジェレミー・マイヤーソン(就労パターンの変化と、それが家具商品、空間、環境に影響が主なる研究テーマ)の”ハイデザイン・オフィス”のコンセプトに関する第一人者)が検証している。

 彼は4つに分類している。

  1. 「モバイルオフィス」・・・ダイナミックな仕事環境にできるだけ対処できるよう、柔軟性を優先させたもの。
  2. 「チームオフィス」・・・チームの想像力や緊張を高めてゆけるようなワークスペースを作ることが目的のもの
  3. 「イクスチェンジオフォス」・・・多様性を感じさせるオフィス環境の中で速やかな情報交換を目的とする、例 えば「大学」のような雰囲気をもつもの。
  4. 「コミュニティオフィス」・・・・仕事に社会との繋がりを反映させることが目的のもの。

であるが、全く異なるのではなく、重複しあっている。

実際に彼が選んだ4つのタイプのオフィスは目前に来ている世紀を先取りしていて面白い。

 マイヤーソンは「かつてオフィスとは静的な場所であり、仕事をただこなすための場所だった。オフィスで働く人々は、上司の厳しい監視のもと、ひとつの場所にくぎ付けになっていた」という。 だがテクノロジーの発達にともない、このような考え方は時代遅れになった。

 創造的に作られたオフィスでは、好きなように仕事をするために、自由に動くことが奨励される。先端技術によって移動しながら仕事ができるようになり、仕事場での予想もしなかった人との出会いや、カジュアルな会議が増え、予定や計画にこだわらず自発的に仕事ができるようになった。

 世界的に有名な公認会計士事務所アーサー・アンダーセンのビジネスコンサルティング部門では、ロンドン本部にチームワークを推進するハイデザイン・オフィスを作った。このオフィスでは、170人のスタッフが最新情報にアクセスしたり、自分の好みの仕事環境を選ぶことができるよう、柔軟なワークスタイルに配慮した設計がなされている。

 オフィスは、パーソナルな人間関係を柱としたビジネス関係を構築し、チーム間で互いに学び会える環境を作り出すことを目的とした設計。インテリア・デザイナーには、スタッフの”頭脳”を刺激し、激しい移動に柔軟に対応できる快適な空間を作るように指示したという。

 そこでインテリアデザイナーたちは、まず、オフィスの中心として受付の裏に、気軽にくつろげるカフェをイメージしたお客様を迎えるハブエリアを作った。このエリアの両側には細長いスペースが広がり、片側はスタッフ個別に集中して仕事ができる「禅」、反対側にはチームとして作業ができる「混沌」が広がっている。「禅」は魚の泳ぐ水槽と、椰子の木のビジュアルが落ち着いた雰囲気を出している。「混沌」はテーブルやイスを自由に動かして、仕事が進められる空間になっている。

 対照的なのが管理部門のメンバーたちの環境だ。管理部門では一人一人が固定された机を持ち、直ぐそばに保管されているプロジェクトの情報が明確にわかるように工夫されている。 ロッカーが設置されている壁やスタッフのデスクを取り巻くベンチには曲線が多用されており、オフィス全体からは流れるような躍動感が感じられる。

このように、動の空間と、静の空間を効率的に用いることによりチームワークと交流を促進し、仕事をダイナミックに進めることが可能になったモバイル・オフィスに、同社は「企業理念に即している」と大変満足している。

「QB 2000」(クオリティ・ブリテン)英国領事館広報部発行より(製作 スチュワードパブリケーション)

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俳句、盆栽、尺八

俳句、盆栽、尺八

 いずれも、アメリカやヨーロッパでもそのままで通じる日本語です。共通しているのは小さなものが、大きなものを表現することが出来るということです。

 「あの月を 取ってくれよと 泣く子かな」一茶の有名な句ですが、17文字の中に物語が豊かに書かれています。

 古い盆栽になると樹齢200年、国宝に指定されているものもあります。植木鉢の中に雄大な自然を想像します。

 尺八の材料は1本の竹。それが西洋の管楽器以上に豊かな、変化に富んだ音色を奏でます。

 「李 御寧」と言う韓国の有名な評論家が「縮み思考の日本人」という著書の中で作るものを小さくするのが日本人の特性だと述べ、外から見た日本人論として話題になりましたが、日本人の思考の根は表題によく現れているようです。 そして今、欧米で俳句、盆栽、尺八などがファンを増やしています。

 私たち日本人がそんな素晴らしい文化を受け継いでいることを、胸をはって誇って行きたいものです。

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