Q-LETTER

ミッションステートメント

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 「このために自分たちの会社が存在している」と言う「ミッションステートメント」が明確にならない企業というのは、マーケットでも成功しないと思う。  自分はこれをやるんだと言う説明責任がないと、人の理解や協力は得られない。お金の出資も得られない。 竹中教授はその例の一つとしてソニーの前身、東京通信工業の設立趣意書を例にあげている。趣意書の一部を引用すると

「技術者達に技術する事に深い喜びを感じ、その社会的使命を自覚して思いきり働ける安定した職場をこしらえるのが第一の目的であった。戦時中、総ての悪条件の基にこれ等の人達が孜々(しし)として、使命達成に努め大いなる意義と興味を有する技術的主題に対して驚くべき情熱と能力を発揮する事を実地に経験し、又、何がこれ等の真剣なる気持を鈍らすものであるかと云う事を審に知る事が出来た。 それで、これ等の人達が、(中略)思う存分技術能力を発揮出来る様な状態に置く事が出来たら、例え其の人員は僅かで、其の施設は乏しくとも其の運営は如何に楽しきものであり、其の成果は如何に大であるかを考え、この理想を実現出来る構想を種々心の内に書いて来た。ところが、計らざる終戦は、之の夢の実現を速進して呉れた。だれ誘うともなく志を同じくする者が自然に集り、新しき日本の発足と軌を同じうして、我々の発足が始まった。(以下略)

ソニーの前身東京通信工業の設立趣意書はソニーのWEBサイトで全文を見ることができる。

 その内容は理想と喜びを高く掲げて、日本人のほとんど全てと言ってよい人々が第二次世界大戦の敗戦によって前途を見失ったと感じた時代を、自分たちの時期と捉え、理想を高らかに掲げている。しかもその理想は空論に終わらず具体的である。  自分たちの喜びや必要と感じたものを企業に結びつけたときにその企業の存在価値が産まれてくるのであろう。 世界企業としてのソニーの前身の趣意書に時代を超えた企業のあり方を読んだ。  冒頭に掲げた「このために自分たちの会社が存在している」と言う使命感、理想、達成目標が時代に受け入れられたとき、その会社は更にへの道が用意されているように思えるがどうであろうか。勿論その道は険しく、時には大きなクレパスがあるのが企業経営では通常のことである。そんな時にも「ミッションステートメント」の存在が大きな役割を担ってくれる事であろう。
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